BMW・CANバスネットワークとは

通常、私たちが使用しているパソコンは、ホストコンピューターによって制御されています。
ホストコンピューターは、ネットワークを通じて、端末の要求に応じながら、様々な演算処理を行っています。
CANは、このようなホストコンピューター無しで、マイクロコントローラーと、デバイスが相互に通信できるように使用されているものです。

いわゆる、電子制御システムの一つで、車両すべての部品間の通信を可能にしているものです。
エネルギー制御装置を始め、エアバックやオーディオシステムなど、現在4輪車に多く搭載されているもので、自動車CAN BUSシステムと呼ばれています。

BMWが唯一採用している

現在数多くの、乗用車で採用されているCAN BUSシステムですが、2輪車業界で初めて同様のシステムを搭載したのが、BMWのバイクなんです。
BMWの採用するCANバスネットワークは、シングルワイヤーシステムのネットワークと結ばれ、一つのネットワークを形成しています。

配線を極力減らすこのシステムは、制御ユニットを1つのネットワークに統合し、様々なプロセスを大幅に簡素化することができます。
例えば、制御ユニットの一つが故障した場合、即座にンポーネントのスイッチを遮断するため、これまでのヒューズが無用となりました。
また、シングルワイヤーシステムは、単に略してSWSと呼ぶことが多いようです。

CANバスネットワークのメリット

CANバスネットワークのメリットは、これまで必要不可欠だった、配線ハーネスを極力減らすことができるため、全体的な軽量化が図れるようになってきました。
CANバスネットワークの導入により、完全な診断機能が確立することによって、信頼性の向上が実現できます。
いまいち分かりにくいといった方のために、会社のシステムに例えてみましょう。

例えば、部署が複数あり、統一した会社の指示のもと、それぞれの部署は動いています。
しかし場合によっては、一つの部署がトラブルを起こしてしまうと、企業全体のプロジェクトが、立ち行かなくなってしまうことも考えられます。
しかし、情報を共有し合う事により、トラブルにもすぐ対処できるようになります。

CANバスネットワークについてのまとめ

先に説明しましたが、改めてCANバスネットワークについてまとめてみましょう。
CANバスネットワークは、デバイス同士の制御とデータ取得を可能にしました。
シングルワイヤーシステムと組み合わされているため、すべてのデータに常時アクセスが可能となります。
つまり、たった一本の共有チャンネルにより、ネットワーク化されているということなんです。

この基本原理は、ユニットの機能に関係なく、一つの共有チャンネルに集約されています。
こうしたシステムにより、ライダーの皆さんも、このSWSデータに自由にアクセスでき、色々な情報を利用することができます。
例えば、状況に応じて、照明を自動的に調整する。
また、燃料レベルや油温を始め、様々なバイクの情報を、コックピットで確認することができます。