レース用に開発されたHP4 RACE

750台限定のレーシングモデルであるHP4 RACEは1台1台スペシャリストによってハンドメイドされたモデルです。公道走行は不可でサーキット走行用のバイクとなっています。そのため、ライトやミラーはなく、ハーネスも専用設計です。
フレームは軽量なカーボンファイバーで作られており、部材同士の接着やボルト締結で起こる弱点を解消するため、ステアリングヘッドからスイングアームピボットまで一体型になっています。一般的なフレームに比べ40kgの軽量化を実現しました。
フレームに使われたカーボンファイバーはねじれと剛性が計算された結果、アルミや鉄のような強さがあります。
前後のホイールもカーボンを採用した結果、乾燥重量が146kgと驚くほど軽く、燃料が満タンの状態でも171kgです。これは世界スーパーバイク選手権用のマシンよりも軽くなっています。
他のパーツとのボルト締結部分についてはインサートと呼ばれるアルミを使った部材が組み込まれています。

HP4 RACEのエンジン

エンジンは水冷4ストローク並列4気筒エンジンで、ドイツでハンドメイドによって製造されています。最高出力は215馬力(158kW)、最大トルクは120Nm/10,00rpmです。
パフォーマンスを向上させるため、レース用6速クロスレシオ・ギヤボックスを採用。
BMWの技術者により試運転が行われ、納車時点からフルポテンシャルを発揮できるように調整されています。

HP4 RACEの装備

レース仕様の電装システムを搭載しています。ダッシュボードとデータロガーを搭載し、走行時のデータを表示、保存、読み込みができます。
イグニッション・カット制御の音で動作を判別するダイナミック・トラクション・コントロールとエンジンブレーキはギアごとに15段階に設定が可能です。ライダーの好みや走行条件に合わせてセットアップできるようになっています。
ピットレーンの走行用にピットレーンリミッターや、スタートをサポートするためのローンチ・コントロールといったレースにちなんだ装備もあります。

メーカー希望小売価格は税込1,000万円。カーボンファイバーはまだまだ高コストのため、この価格は納得できるものでしょう。カーボンファイバーで作られたバイクは非常に興味があります。
HP4 RACEは公道での走行はできませんがプロライダーが乗るようなスペックのマシンが購入できるなら一度は乗ってみたいものです。