F650

Fシリーズは1993年から発売された単気筒モデルがF650です。生産体制はオーストリアのエンジンメーカーであるロータックスが開発した水冷4バルブDOHC単気筒エンジンにBMWの設計変更による手が加えられました。組み立てはイタリアのアプリリアが行うという、3カ国による合作となったモデルです。
F650の車体構成はアプリリアのダコタとほぼ同じで、今までのBMWのモデルと比べると型にはまったものでした。しかし、実際に走らせてみるとまさしくBMWです。
フェアリングやハンドルの形状などBMW独自のテクノロジーも盛り込まれ、高速クルージングに対応したハイウィンド・スクリーンを装備しています。

水冷4バルブDOHC単気筒エンジンについて

このエンジンはロータック社製エンジンを搭載するアプリリアの水冷単気筒5バルブエンジンをベースに、BMWの設計によってモデファイされたものです。
軽量化のためオールアルミニウム製で、クランクシャフト用のバランサーシャフトとプレーンペアリングによって、低振動を実現しています。

F650ST

F650の派生モデルです。フロントホイールの径を19インチから18インチにし、リアのサスペンション・トラブルを減らして舗装路の走行性能を重視しています。タイヤもオンロード重視のパターンを装着。STはストリートを意味するストラーダのニックネームで呼ばれています。
エンジンについてはF650と変更はなく、ハンドル幅やシート高を調整して操作性や安定性の向上を図りました。
外観はコンパクトになり市街地での使用を重視していることがわかります。初心者や女性をターゲットにしており、ローシートやローダウンキットもアクセサリーとして用意しています。

F650GS

オンロードとオフロードの走行性能を兼ね備えたオールラウンダーなモデルです。ロータックス社製単気筒エンジンにBMWの設計したシリンダヘッドが組まれ、電子制御式エンジンマネージメントシステムによって標高の高いアルプス山脈でも出力を損なわないようになっています。
独特の設計が多く盛り込まれており、2004年のマイナーチェンジでは12V電源ソケット、グリップヒーターなどが標準装備になり、外装はフロントフェンダー、スクリーンなどの形状が変更になりました。

単気筒エンジンについて

ロータックス社と共同開発によって誕生した水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ652ccエンジン。BMWが開発したシリンダヘッドにより圧縮比が大幅に引き上げられました。出力が向上し、ほぼ新設計に近いエンジンとなりました。2004年のマイナーチェンジでシングルからツインスパークになっています。