1980年代に登場したKシリーズ
台頭してきた日本メーカーや将来的に規制されると予測された排ガス規制、騒音規制に対応するため、巨額を投じ新しいエンジンの開発を進めていました。
発表された縦置きの水冷4気筒の新エンジンは、左足側にシリンダーヘッド、右足側にクランクケースカバーが見られ、シリンダーはほぼ水平にレイアウトされたものです。この配置によって横置きに比べて低重心を実現しました。
また、他メーカーにはない新しいシステムが盛り込まれており、市販車では初となるEFIシステムがあります。点火と燃料をコンピューターで制御するシステムで、BMWの自動車部門で実績のあるものでした。
K100という名前でシリーズを販売し、従来のRシリーズの世代交代を考えていたようです。
K100RS 2バルブ
K100と同時に販売されたモデルで、空力学を追求したフェアリングを装備。高速道路を快適にクルージングできるように安全性や快適性の高いボディ、常用域から高速域まで安定したハンドリングなど高い水準になっています。3,000回転域以上で最大トルクの90%を発揮。低速域でも扱いやすくなっています。
ツアラー志向の高いアッパーカウルには、ミラーを内蔵したウインカーを装備し、走行風を効果的に防いでくれます。また、カウル上部に装着されたフラップは頭部に当たる風も軽減することが可能です。1988年式は市販車として世界で初めてABSを搭載したバイクとしなりました。
ノーメンテナンスでも耐久性が高く現在でも中古車を購入できます。サイドスタンドが地面に接地していないと自動的に戻る構造のため、酷使すると接地部分が開いていき、最悪折れてしまう恐れがあります。中古車を選ぶ際はサイドスタンドを動かしてチェックしておきましょう。劣化が激しい場合は交換をおすすめします。
また、インジェクション方式を採用しているので、燃料ホースが劣化していないこともチェックしておくこと。定期的に専用ホースを交換しましょう。
K100
1983年に登場したK100は、フェアリングを持たないベーシックなスタイルで販売されたモデルです。縦置きの水冷4気筒エンジンは革命的だったため、当時のバイクファンにとっては受け入れがたいものでした。しかし、今では当然となった装備もK100が市販車として最初に装備されたものです。斬新なバイクながらも自分たちの製品づくりを見失わないメーカーとして確立しきました。